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教師の集中ワークレポート

教師の集中ワーク レポート
 
10月3日~12日の10日間、恒例になった年に2回の「AT教師のスキルアップのための集中ワークショップ」が行われました。ATの本質を深く理解し、実践できるために、熱のこもったディスカッションとワークができました。

 こんなふうに互いを研鑽し合えるグループは世界中を見てもあまりないでしょう。この調子でこの教師の集まりがさらに発展してゆくことを願っています。

 

 
なぜF.M.アレクサンダーは手を使ったのか?
 
 今回はこんな素朴な疑問から始めてみました。というのもわれわれはATはハンズオン(hands-on)をするものだというだけで、このことを明確にしないまま、ハンズオンの練習をしてきたかもしれないからです。それとハンズオンをしないで言葉だけでATを教えることができるという教師があります。もしこのことが可能ならハンズオンは必要ないというということになります。そんな中でわれわれはハンズオンの練習をしているわけですから、そうする必要性を明確にしておく必要があるように思いました。
 
 その結果、様々な意見が出されました。単純に考えてみるとF.M.アレクサンダーは、言葉だけではこのことを伝えられなかったため、手で生徒のからだに直接働きかけ、示すことによって伝えるという方法を使ったのではないかと思います。彼は8年間の自己観察の結果、自分自身の動態感覚で内側の動きを発見し、それをとらえることに成功しました。その結果、首を自由にさせ、頭を前に上に、背中が上下に長くなり、左右に拡がり、足は大地に対抗するという言葉でこのことを表現したわけです。しかしこれは単に言葉であり、彼以外の人がこの言葉だけを聞いて彼の発見を理解できるとは私には到底思えません。ですから彼は手でそのことを実際に示し(ハンズオン)ながら実況中継するように上の言葉を使って生徒のからだの内側で起こっていることを説明したのでしょう。
 
  
 
 彼の一番弟子であったパトリック・マクドナルドという先生がこのことに関して以下のように言っています。FMというのはアレクサンダーのことです。

「FMは普通一般の人には理解できない言語を使っていたというジョークさえあります。FMが何のことを話していたか多くの人には理解できませんでした。でも、FM.がハンズオンして頭を前に上に背中を長く広くすると、するべきことが何なのか理解することができたのです。」

 

ハンズオンは治療ではない
 
そしてもうひとつ明確にしておかなければならないことは、ハンズオンは治療行為ではないということです。ここまで話してきたようにこれはわれわれ人間の内側で働いている動きについて説明する為に、手でその動きの方向性を示しながらこのことを説明する、あるいは指導するためにハンズオンをしているのです。

そういう点では野球選手にコーチが手取り足取りフォームについて説明しているのと何ら変わりはないのです。

 

「集中ワークに参加して」
 
AT教師 浦野昭子
 
「奈良は静かで、いい町よ」順子先生がそう言っていた。何回か通っているうちにこの地が好きになっている自分に気づいた。駅周辺のにぎやかさはどこも同じだが、少し奥へ行くと小さな路地の家並みがとても気に入っています。
 
 
 
 さて、今回のワークのテーマ? ATの原点に戻って「明確に、ていねいに、少しずつ」ATの原理「首らくに、頭 前に 上に」はどういう事か? ていねいに、小さく、少しずつ繰り返す中で変化を見る。
手を使うのはどういう意味があるのか? 言葉では伝えられない体の内側での様子を、指先で相手に伝える。考えを明確にして指先を使う。この練習を繰り返していると、私のやるべき事がはっきりしてきた。
曖昧な考えと、思考のみでやっていると、腕は固くなり、頭を前に押している(指摘されないとわからない)言葉のみになっているのか?(感覚にシフトした上での考えになっていない)自身ひとりでワークする時は、内側の変化がとてもわかりやすく、楽しむことができるが、いざ相手に伝えるとなると、「静かに相手を見て私の考えを、指先で伝える」ことがまだまだ足りない。それにしても、先輩たちの 腕と指先のなんと柔らかな、優しいタッチ  強くないのに、確かに私に伝わって来ている。私も そうなりたい!!
肩先、肩甲骨、鎖骨の部分は、手のひらで、そっと方向性を示すのは、何となくできたように思うが…。急がず、本当に少しずつを繰り返していると、今までの自分も見えてきて、反省点も多い。
内側の出来事の現象は、人それぞれ違っている。起こりやすい場所、深く眠り込んでいる部分、その現象にとらわれずに、常にATの原点に戻って行きたい。先生たちが、何回も、何回も、なんかいも、同じことを言っているのに、実感としてとらえるのには、かなりの時間が必要だし、体の方向性も修正すべき部分がまた見つかった。

 いつも感じることとして、先輩たちの皆さんのやさしさがとてもうれしく、同じ目的を持つ仲間はとてもありがたいです。お世話になりました。

 

ヨガフェスティバル前日ワークショップ
 
宮城での国際ヨガフェスティバルを機に、「前日ワークショップ」と、フェスティバル会場でのワークショップと個人レッスンをおこないました。いただいたご感想をご紹介します。
 
 
「かけがえのないワークに出会えて」
 
奥州市 佐藤由香里
 
 

フェスティバルにあわせて3日間のワークに参加させていただきました。グループワークは2日間だけでしたが、理解を深めるためには個人レッスンよりも重要かと思えました。考え方の癖に気づき、それにとらわれないようにすること。感覚にシフトするのは思考によるとらわれを外してゆくということが少しわかってきたような気がします。 

 2日目、松島でのワークの時、横になり聞いて、見て、をしている時に谷村先生が「音はつなげるように聞いて」と話されました。その瞬間、空中を飛びながら音を探している感覚になり、わくわくとして不思議な気持ちになりました。「楽しいと感じている時はからだも緊張していない。楽しいことをしていることが大切です」ととてもステキなお話をしていただきました。
 松島の海と空を見ながらの個人レッスンは格別で、からだのどこにも力が入っていないのに、背中のサポートを感じることができました。自分のからだの中に確実に何かが働き始めているように思います。
 
 谷村先生がこのワークは芸術ですねと話されていましたが、続けていったら、からだも心も柔軟に過ごすことができると確信できました。かけがえない学びに出会えてとても幸せです。
 
 
 
 
~ 私の経験から ~

首を解放することを許す

AT研究会講師/ATI教師 中白順子

 アレクサンダー・テクニークでは、プライマリー・コントロールによる協調作用が働くために、「首を楽に、頭を前に上に、背中は上下に長くなり、左右に拡がり、足が大地に対抗する」という方向づけをしますが、まずはこの“首を楽”について書こうと思います。

 
 私の経験では、ATを勉強し始めた当初は首が緊張していることに気づきませんでした。そして、少しずつ自己観察ができるようになると、首の緊張にやっと気づくようになりました。いま分析すると、身体が重い、しんどい、疲れると言った感覚はありましたが、身体のどの部分が緊張してるか?など身体全体の細かい観察は出来ていませんでした。もちろん身体をどう使っているかも気づいていませんでした。
そして自己観察を続けていくと、今度は首の緊張に時々気づくことができるようになりました。でも、首の緊張に気づくと、緊張に対して異常に反応し、緊張している自分の首が許せないかのように、イライラし、早く首を解放しょうと焦せり、落ち着かない毎日でした。
 
 そして、更に自己観察していくと、首の緊張に頻繁に気づけるようになっていました。頻繁に気づくと、今度は今までと違う感覚がやってきました。それは、首の柔らかさや、首の内側にスペースが出来たかのような、首を左右や上下に動かしても、抵抗なくスムーズで、楽さを感じることができるようになっていました。このことを分析すると、頻繁に首の緊張に気づくということは、頻繁に身体を感じていると言えると思います。身体に関して無意識になり、考え事ばかりをして行動していた頃よりも、感覚が働きやすくなり、首の緊張に気づくと、「今は緊張する必要がない」と自覚し、緊張を手放すかのように止めることができるようになったので楽な感じが持続するようになったのだと思います。
 つまり私にとって“首を楽”にとは、“首の緊張をやめ、解放することを許してやる”ということだったのです。
 そして、実際に鏡を見て自分の頭と首がどのような関係性になっているのか?を見ると、アレクサンダーが発見したように、頭は後ろに引き落としていることに、やっと気づきました。
ここで頭と首の良い関係性の図を見て頂きたいのですが、頭蓋骨の後ろには奥行き、後頭部の底にはスペースがあります。
 
 
 
  
 それに対して、頭を後ろに下げている2つの図を見てください。ともに後頭部の奥行きがなくなっています。
 
 
 頭の重みは男性で5~6kg、女性では4~5kgあるそうです。私の頭が後ろに引き落とし、スペースを失った結果、自分の頭の重さが首に直接かかり緊張を感じていたことにも気づきました。
 
 ここまでの経験の結果、自分の首を無意識から意識的にすることによって、首を解放することを許すことができ、そのことによってこれまで自分がしてきた首と頭の関係が理解することができました。そして私にとってこのことが、この後に起こるプライマリー・コントロールである「頭を前に上に」という理解の土台となったのです。
 それで思い出すのが、ATコングレス(世界大会)で受けたマージョリー・バーロウ先生のレッスンです。彼女はF.M.アレクサンダーの姪で、1933年から指導してきた人です。
会場である参加者が「レッスン中、あなたは何を思っているのですか?」という質問に対して、マージョリー・バーロウ先生は「neck to be free!」、首を楽に!とたったひとこと言われたのです。
 
 

 首を解放することを許すことは、自分ですることのいちばん最初の学びであり、今も気づいたら自分自身で手放し、続けることが大切なことだと思っています。

今は亡きマージョリー・バーロウ先生とのワーク
ドイツ・フライブルグのコングレスにて

 

 

  • 2015年November14日(Sat) 17:11 JST

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